FXトレードにおいて、群集心理を理解すると勝率が大幅にあがると言われています。
熟練のトレーダーであれば、無意識のうちに理解して群集心理の知識が身についているといったこともありますが、ここではあえて文字に起こすことによって、群集心理について学んでいきたいと思います。
群集心理とは
群集心理とは、大勢の人が集まると生じる、個々人の特殊な心理のことを指します。
「集団心理」という言葉とよく比較されますが、一般的に群集心理は、集団心理と比較して、より統一された意思のない、”人が群がっているだけの状態”のことを指します。心理学の中でも、社会心理学のジャンルにおいて主に研究されています。
社会心理学という学問自体が未解明の部分も多いと言われていますが、さまざまな研究において検証の結果が出ているため、とても参考になると思います。
まずは、群集心理において現れる4つの特殊な心理状態をご紹介いたします。
感情性
感情性とは、個人の時に比べて集団の場合の方が感情的になり、論理的思考力が低下するという心理状態を指します。
匿名性
匿名性とは、個人の時と比べて集団の場合では、自己に対する意識が低下し、責任感や個性に対する認識が少なくなってしまうという心理状態を指します。
一例には、「みんながやってるから私もやる。」と自然に釣られてしまうような状態があり、「赤信号、皆で渡れば怖くない」という有名な集団心理の例えも広くしられています。
力の実感
個人が集まって集団になることによって、自分の力も大きくなったと感じるような心理状態を指します。
大勢が集まって「チーム」になると、自分の力も大きくなったかのような誤解を生む状態がよく例にあげられます。
被暗示性
被暗示性とは、集団になると暗示に掛かりやすくなるという心理状態のことを指します。
集団になると、誰かの意見やその場の雰囲気につられて自然と行動してしまう状態です。
FXにおける群集心理とは
FXこと為替の相場では、世界中で大勢の人が取引に参加して、市場に群がっている状態のため、いわゆる「群集」になっているという状態です。
このような状態においては、心理学における「群集心理」があてはまるであろうと仮定して、その心理状況を予測して相場のファンダメンタルズを議論しようといったものが、FXにおける群集心理です。
また昨今では掲示板やSNSといったインターネットを用いたコミュニケーションツールも発達していることから、FXや株式の相場においても、この「群集心理」の状態になることが容易となり、過去と比べても目に見えやすい状態になっていると言われています。
なぜ群集心理で勝率があがるのか?
社会心理学の検証で研究結果が出ているように、人は集団になると群集心理の効果が働きやすく、相場の値動きに”群集心理”が大きな影響を与えると言われています。
FX市場の参加者が”群集心理”につられやすいという点を逆手にとることによって、利益を出すための売買チャンスを見つけることが可能になります。
本などに掛かれている、群集心理の効果による相場の値動きのみを妄信しては決していけないですが、群集心理を意識して相場にのぞむことで、勝率は上がる可能性が高くなります。その他の知識、テクニックと複合的に組み合わせて、自分にとってよりトレードのしやすいように群集心理を利用しましょう!
活用法①「群集に流されないようにする」
群集心理を利用したトレードにおいて、絶対に行ってはいけないのが、
「みんなが買っているから買う。」
「みんなが売っているから売る。」
といった行動です。
相場にはトレンドがあるので、みんなに合わせてトレンドに乗っていれば、たまたま利益が出るといったこともあるでしょう。群集心理に釣られるという事は、いわゆる「順張り」になりますので、意思をもって群集の作りだす波に乗ることは、時として大きな利益を産み出します。
しかし、みんなが買っているから買えばいいわけではないですし、みんなが売っているからといって売ればいいという訳ではありません。
「自分に利益が出るから、買う。」
「自分に利益が出るから、売る。」
というように、しっかりと自身の意思を持ってエントリーするという考え方が正しいです。
特に日本においては義務教育によって「空気を読む」という文化が根付いているため、ついつい周りに合わせてエントリーしてしまうという人が多いといわれています。「何となく・・・」のエントリーを続けていると、いつか大きな損失を生み出す元凶となりかねないです。空気を読んで大衆に合わせる必要は、全くありません。
自分の意思に反して群集につられてエントリーをしてしまった場合、あなたの入ったエントリーポイントが相場の転換点になるということがありえるからです。今トレンドがはじまったのかもしれないですし、トレンドが終わろうとしているのかもしれません。
群集心理と相場の値動きをしっかりと理解して、決して自分の意思に反して群集の動きに流されてしまい、損失を出してしまうということがないようにしましょう。自分の意思を強くもってトレードを行うことが大切です。
活用法② 「パニックの連鎖が、相場を大きく動かす」
相場が大きく動く要因があったさいは、「群集心理によってさらに大きく相場が動く」という事例が数えきれないほどあります。
特に、世界的にニュースなどで取り上げられると、メディアを通してたくさんの人が見るため、相場の参加者が群集となって群集心理が働きます。
すると群集心理がはたらいて、想定の理論値よりも、さらに大きく相場が動きやすい状態になるということを頭にいれておきましょう。
どのような状況においても、「みんなが買うから、買う。」「みんなが売るから、売る」という考えは捨てなくてはなりません。「自分にとって○○だから、買う。」「自分にとって○○だから、売る」という明確な意思を持っている必要があります。
群集心理の活用法③「損失を重ねる群集の、逆をいく」
FXをはじめとした投資・トレードの世界においては、相場に集まる群集のうち、大半の人が損失を出し続け、一部の人が利益を出すというデータがでています。
それはつまり、多くの人が損を出している中で、そのまったく反対の行動を取ることができれば、利益が出るということです。
もしもあなたが現在FXで損失を出しているのであれば、そのまったく正反対の行動を取っていれば、利益が出ていたのです。(*スプレッドや手数料等の差額を除いた場合)
大衆の逆を行くことで、利益を出すことができるのです。
まとめ
群集心理という考え方があるということを知っておくことで、勝率はおそらく上がることでしょう!群集心理については、ここでは一部を説明致しましたが、興味があるという方は書店などで社会心理学の本を買って読んでみることをおススメいたします。
何より大切なのは、「決して人に流されず、信念を持ってトレードをおこなう」ということです。
人に流されて損をしてしまったとしても、FXでは自己責任です。損失をだしてしまったとしても、悔いのないようなトレードを心がけていけるといいですね!