こんにちは!どどっちです。
今回は”ブランコ作業”こと、高層ビルの窓拭き仕事で有名な”ロープ高所作業従事者 特別教育“の資格を取得してきました。
結果、一発合格!
資格マニアにならなければ一生取得することのない資格だったので、とても貴重な経験ができて良かったです。
今回はロープ高所作業特別教育の詳細や、体験談をご紹介していきたいと思います。
ロープ高所作業従事者 特別教育とは!?
ロープ高所作業従事者 特別教育とは、労働安全衛生法で定められた”一定のロープ高所作業に従事する者”に対して、実施が義務付けられている教育です。
●特別教育が義務付けられている”ロープ高所作業の範囲”
特別教育の受講が義務付けられるロープ高所作業の範囲は、法令で下記のように指定されています。
高さが2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、昇降器具を用いて、労働者が当該昇降器具により身体を保持しつつ行う作業(四十度未満の斜面にお ける作業を除く。)
労働安全衛生規則 第36条-40
ロープ高所作業というと、高層ビルなどで活躍するイメージが強いと思いますます。
しかし、わずか2m以上でのロープ作業でも、特別教育の受講が必須とされているため注意が必要です。
“ロープ高所作業従事者”の資格が必要な仕事は!?
ロープ高所作業を必要とする仕事には、下記のようなものがあります。
①清掃業
ロープ高所作業の資格と聞いてまず初めに思い浮かぶのが、高層ビルの外側からロープにぶら下がって窓の外装を拭き上げる、通称”ブランコ作業“ではないでしょうか。
ビルやマンションの外壁をはじめとして、足場やゴンドラの設置が困難な場所の清掃で、ロープ作業が行われることがあります。
②造園業・林業
造園業や林業でも、ロープ作業を行うことがあります。
高所作業車の立ち入りが困難な山奥や傾斜面で、樹木の調査や伐採の作業を行う時などに、ロープを利用したブランコ作業を行います。
③電気業・通信業
続いて、電気業や通信業です。
原則、高所作業車・足場・ゴンドラなどを用いてより安全な状態で作業を行いますが、これらの器具を利用できない現場では、ロープを用いて作業を行います。
電柱の上での電気工事をはじめとして、高所に設置された風車や無線通信装置の修復作業などにおいて、ロープ作業が行われることが多いようです。
④建築・塗装・ビルメンテナンス業
建設業・塗装業・ビルメンテナンス業でも、原則、高所作業車・足場・ゴンドラなどを用いてより安全な状態で作業を行います。
しかし、足場を組むことのできない場所での作業や、高層建物の壁面の塗装などでは、ロープ作業がよく行われています。
また実務としては、予算の都合などでロープ作業が行われることもあるようですね。
⑤警察・消防・自衛隊など
最後に、警察・消防・自衛隊などで行われるロープ降下などの業務を行う場合も、特別教育を受けることが必須とされています。
公安系公務員も例外ではなく、ロープ作業に従事する全ての労働者に受講が義務付けられているため注意が必要です。
しかし公安系公務員の場合は、一般企業と比べるとその判別が難しいものが多いので、警察学校や消防学校のカリキュラムに従って必要であれば特別教育を受けましょう。
その他
その他には、ステージや矢倉・巨大テントなどを作るイベント業や、巨大なプラントを保有する工場などでも、ロープ高所作業従事者の資格が必要とされることが稀にあります。
“ロープ高所作業従事者 特別教育”を取得するメリット
“ロープ高所作業従事者 特別教育”の資格を取得するメリットには、下記のようなものがあります。
- 憧れのロープ高所作業に従事できる
- 就職、転職に有利になる
ロープ高所作業特別教育の資格は、ロープ高所作業を行う仕事に就かなければ取得するメリットはほとんどありません。
求人サイトなどで検索をすると、最も求人数が多いのがビルメンテナンス・清掃業、続いて塗装業・建築業となっています。
多くの場合は会社が費用を負担してくれるため、就職・転職後に資格を取得しても問題はないでしょう。
しかし、面接時に既に資格を保有していることで、保有していない人と比べると有利になるケースが多いようです。
1日で取得!ロープ高所作業特別教育合格体験記
私の場合は、技能資格でいつもお世話になっている”技術技能センター”を利用しました。
千葉県の経営者会館で、朝から7時間の受講です。当日はロープ講習以外の講習も行われていて、100名以上の受講者で賑わっていました。
1限目(午前) ロープ高所作業の概要・法令
1限目はロープ高所作業の全体的な概要の説明があり、その後法令について簡単に学びました。
朝早いので、正直眠いです。
会場には、どんよりした空気が流れていました。
2限目(午前) ロープ高所作業の使用機材について
2限目では、ロープやカラビナ、シャックル、ディッセンダー、フォールアレスターなどの、作業に使用する機材について学びました。
三つ打ち・八つ打ちなどのロープの基礎知識をはじめとして、取り扱い道具の基本的な知識、点検や保守の方法を学びます。
時間の都合もあって全てを完璧に網羅する事はできないため、要点を抑えて講義が進みました。
3限目(午前) 労働災害防止の知識
3限目は、フルハーネスやライフラインなどの落下防止器具の説明や、労働災害防止の講義でした。
実際の作業現場の写真や、元スーパーゼネコン勤務の講師の実体験を交えて話してくれたので、非常にわかりやすかったです。
災害防止措置の講義は、過去に取得したフルハーネスの講義と範囲が被っている部分もありました。
4限目(午後) 労働災害防止の知識②
昼休憩を挟んで4限目は、引き続き災害防止の知識について学びました。
リスクアセスメントの方法やロープの緊結・ヘルメットの注意点など、座学の視点からの災害防止方法と、現場での実際の流れを交えて学びます。
身近な現場で実際に起きている労働災害の話や、災害が起きた際に労働基準監督署で行われる問答の話など、実務的な話が多く勉強になりました。
5限目(午後) 労働災害防止の知識③
5限目では、立入禁止措置の方法や、作業時の注意点などを学びました。
メインロープの張り方や点検方法、工具の落下防止措置などでは、教科書外の実務的な知識について説明もあり良かったです。
6限目(午後) 法令・質疑応答
最後の時間に、関係法令の続きや質疑応答の時間がありました。
質疑応答の時間では「え!この人たちこんなに質問あるの!?」と思うくらいに盛り上がっている様子で、少し驚きました 笑
また特別教育は技能講習と違って、真面目に講習に参加すれば必ず修了証が貰えます。
そのため、テストはありませんでした。
講習修了証の配布
7時間の講義を終えて、無事に修了証をゲット!
今後私がロープ作業の現場に入る可能性はないと思いますが、是非一度働いてみたいです 笑
今後街中でロープ作業をしている人を見かけた際は、講習のことを思い出してみます!
ロープ作業は、志望事故につながる危険な仕事
当然のことながら“ロープ高所作業”は、ちょっとしたことが重大な事故につながる危険な作業です。
細心の注意を払っていても、重大な労働災害があちこちで起きているという話を聞いて驚きました。
資格を取得したからと言って浮かれることなく、道具の整備などの安全対策には、細心の注意を払うように気をつけましょう。