こんにちは!資格マニア2年生のどどっちです。
先日、アンチ・マネーローンダリングの資格で有名な、金融AMLオフィサー[基本]のCBT試験に独学で合格しました。
この記事では、合格までに使用した参考書や難易度、独学・一夜漬けで合格できた勉強方法などをご紹介しています。
これから金融AMLオフィサーの試験を受験する方、受験をしようか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
金融AMLオフィサーとは?

金融AMLオフィサーは、営業店の一般職員・パート職員を対象にしたマネー・ロンダリング対策の知識を証明する金融系資格。
銀行業務検定協会の姉妹団体である、日本コンプライアンス・オフィサー協会が主催しています。
「AML」は、アンチマネーロンダリング(Anti Money Laundering)の頭文字をとって名付けられました。
●金融AMLオフィサー[基本]の位置づけ
金融AMLオフィサーの資格は、初級レベルの[基本]と上級レベルの[実践]の2つの試験があります。
初級レベルの[基本]は一般職員むけ、上級レベルの[実践]は管理者向けの試験とされていますが、2つの試験にそこまで大きな違いはありません。
金融機関に勤めている方や、これから金融業界で働こうと考えている方が取る資格だと言われています。
中でも、管理や監査の仕事に就くことになった30代〜40代の中堅銀行員に人気の資格です。
●試験の詳細(CBT)
出題形式 | マークシート式の3択問題 |
問題数 | 50問 |
試験時間 | 90分 |
合格発表 | 随時 |
金融AMLオフィサー[基本]の難易度

金融AMLオフィサー[基本]の難易度は、非常に簡単です。
どのくらい簡単な試験かというと、銀行員ではない私が一夜漬けの勉強だけで合格してしまうくらいです。
金融機関に勤めている方であれば、既にマネロンに関する何らかの研修を受けていることでしょう。基本的なマネロンの知識を持っている方であれば、ノー勉でも合格できると言われています。
金融AMLオフィサー[基本]の合格率
金融AMLオフィサー[基本]の合格率は、80〜90%の間で推移しています。
高い合格率からも、簡単な試験であることがうかがえます。
また上級レベルの[実践]は、合格率75〜85%程度で推移しています。
金融AMLオフィサー[基本]の試験範囲
金融AMLオフィサー[基本]の試験では、マネー・ローンダリングについての基礎知識を問われます。
金融AMLオフィサー[基本]の試験範囲は、下記のようになっています。
- マネー・ローンダリングの基本知識
- マネー・ローンダリングと取引時確認
- マネー・ローンダリングと疑わしい取引の届出制度
- マネー・ローンダリングとリスクベース・アプローチ
きんざいの開催する金融業務能力検定「AML/CFTスタンダード」よりも試験範囲は狭くなっています。
マネーローンダリングの基礎知識
「基礎知識」の単元では、マネーローンダリングの概要や金融機関のマネーローンダリング対策、第3次・4次のFATF対日相互審査、金融庁のガイドラインなどについて問われます。
FATFのことを知らない方は、主にFATFについて学ぶ必要があるでしょう。
マネー・ローンダリングと取引時確認
「マネー・ローンダリングと取引時確認」の単元では、取引の際に行うべき確認の内容や方法について問われます。
数ある取引時確認の中でも、本人特定事項・取引を行う目的・職業と事業の内容・実質的支配者についての問題を中心に出題されます。
マネー・ローンダリングと疑わしい取引の届出制度
「マネー・ローンダリングと疑わしい取引の届出制度」の単元では、疑わしい取引の判定方法や届出についての問題が出題されます。
疑わしい取引に該当する取引とは、どのような取引のことを指すのかを学びます。
マネー・ローンダリングとリスクベース・アプローチ
マネー・ローンダリングとリスクベース・アプローチの単元では、リスクベース・アプローチの手法や、リスク低減措置について問われます。
仕事でリスク・アセスメントなどを行ったことがある方であれば、ほとんど勉強する必要はないことでしょう。
“金融AMLオフィサー[基本]”に合格するための勉強方法

①金融AMLオフィサーは、原則独学
金融AMLオフィサーは、自分で参考書を買って勉強する方が受験者の多くを占めます。
中にはスクールの対策講座を受講したり、勤務先で開かれる勉強会を利用して合格を目指す場合もあるようですが、圧倒的に少数派だと言われています。
高額な対策スクールなどで学ばないでも、公式問題集だけで十分に合格することができるでしょう。
②金融AMLオフィサー[基本]は、一夜漬けでOK!
金融AMLオフィサー[基本]の試験は、とても簡単です。
中高生レベルの国語力や一般常識だけで解ける問題も多く、一夜漬けで十分に合格することができるでしょう。
また、金融業の多くは土日休みです。「土曜に参考書を買って勉強→日曜に受験」といった具合に、土日などを使って短期間で受験するのがおすすめです!
③過去問が最も有効な勉強方法!
金融AMLオフィサー[基本]の試験は過去問と類似した問題が多く出題されるため、過去問を繰り返し解いて出題パターンを覚えるのが、かなり効率的な勉強方法です。
過去問、過去問、過去問。とにかく過去問をマスターすれば合格できます!
筆者も他の方のブログなどを参考に、過去問を中心に対策したことで無事に合格することができました。
これで合格!金融AMLオフィサー[基本]のおすすめテキストはこれだ!
AMLオフィサー認定試験 金融AMLオフィサー 基本実践 対策問題集
![AMLオフィサー認定試験 金融AMLオフィサー[基本][実践]対策問題集](https://dodochi.site/wp-content/uploads/2021/06/DE31F5BF-B1F3-42A2-9540-2A4948226831-1024x768.jpeg)
金融AMLオフィサー[基本]の、公式問題集に当たる参考書です。
金融AMLオフィサー[基本]の試験は、この公式問題集1冊で合格することが可能です。
3万円くらいの公式の対策DVDも発売されていますが、購入する必要は特にないでしょう。
金融機関行職員のためのマネー・ローンダリング対策 Q&A

公式問題集1冊で合格することが可能ですが、問題集だけでは不安だという方には「金融機関行職員のためのマネー・ローンダリング対策 Q&A」がおすすめです。
この参考書は運営団体の公式参考図書にも指定されていて、試験範囲に合ったマネロンの知識を学ぶことができます。
公式問題集と合わせて使用することで、より詳しく勉強することができるでしょう。
金融AMLオフィサー[基本]に合格するポイント

①重要ポイントは必ず覚える
金融AMLオフィサーの試験は、試験範囲が狭く、過去問の類似問題が繰り返し出題されています。また、複雑な問題は出題されません。
そのため、出題されるポイントがかなり分かりやすい試験です!
「PEPs」や「FETF」などの重要語句や、問題集で繰り返し出題されているポイントは必ずおさえておきましょう。
②前後の問題から、矛盾点を見つける
金融AMLオフィサーの試験は50問と多く、前後の問題で同じような選択肢が用意されていることが多いです。
わからない問題があった場合は、前後の問題を解くことによって国語力だけで解答を導きだせる場合があります。
当然、前後の問題から必ず解答を導き出せるということではありません。
③営業店の実務経験があると有利
金融AMLオフィサーの試験では、取引時に必要な書類や、マネロンが疑われる場合の実務や考え方について問われます。
営業店や企業の経理部などでの実務経験がある場合は、実務経験から答えを導きだすことができるでしょう。
例えば、「法人の手続き担当者が、取引確認時に求められる書類は何か」といった具合です。
実務経験のある方は、非常に有利ですね!
金融AMLオフィサー[基本]を取得するメリット

金融AMLオフィサー[基本]を取得するメリットには、次のようなものがあります。
- マネロンの知識を証明することができる
- 就職・転職のアピールポイントとして利用できる
- 合格者に資格手当が付く場合がある
金融AMLオフィサーの資格は、金融業に勤めるのであれば必ず取得しておきたい資格の一つです。
FATFの勧告や国際送金を利用したオンラインショッピングが身近になったことなどを受けて、金融機関に勤めている方へのマネロン教育が重要視されるようになってきているためです。
●CAMSの方がおすすめ
金融AMLオフィサーの資格は、最低限のマネロンの知識を持っていれば合格することができてしまいます。
本格的にマネロンや監査のプロフェッショナルを目指すのであれば、CAMS(Association of Certified Anti-Money Laundering Specialists)と呼ばれる国際認定資格の方を取るべきでしょう。
CAMSは日本国内での知名度が低い資格で、金融機関に勤めていても知らない方も結構多いです。
しかしCAMSは世界共通のマネロン資格として、とても有名です。また、国内のメガバンクや監査法人の求人でも優遇資格として掲載されていることが多いです。
マネロンや監査で活躍したい方におすすめの資格ですね!
さいごに

アンチマネロンでは、AIが重要な役割を担うことになる
最近では、営業店での直取引よりもインターネットでの取引が多くなってきています。
そのためマネロン防止の観点では、従来よりもシステムによる監視が重要視されてきています。
営業店での従業員の教育を実施することも大切ですが、AIなどを用いたマネロン監視のシステムづくりの方が大切でしょう。営業店や監査の方だけでなく、システム担当者へのアンチマネロンの教育がより一層重要視されるでしょう。
日本にカジノが出来たら注目される資格!?
資格マニアの間では、日本にカジノができた際に注目される資格として予想している方が多いようです。
カジノは犯罪の資金洗浄などにも利用されることが多く、マネロンに対する意識が強い業種です。
そのためアメリカなどの国では、カジノにおいてマネロン資格の保有者を優遇している傾向があるようですね。
また海外との行き来が容易になったことや暗号通貨のブームなどの背景も重なって、マネロン資格の需要が今後増えて行きそうですね!