こんにちは!
今回初めて、FASS(ファス)検定こと経理・財務スキル検定を受験してきました。
この記事では、FASSと簿記のどちらを受けようか悩んでいる方や、違いについて知りたいという方に向けて、資格マニア1年生の私が解説しています。
FASS(ファス)検定とは!?
FASS(ファス)検定とは、経済産業省の取り組みによって2005年11月にスタートした、経理・財務の実務能力を測る資格試験です。
経済産業省が経理・財務部門の共通基盤として作成した、「経理・財務サービス・スキルスタンダード」の英語読みであるFinance Accounting Skill Standardの頭文字を取って、FASS検定と名付けられました。
簿記検定では測ることのできなかった、経理・財務の職務全体の実務知識を測定することができる資格試験として注目が集まっています。
FASS検定と簿記検定の違い
FASS検定と簿記検定の大きな違いは2つあります。
①FASSは経理・財務業務全般の試験、簿記は記帳・簿記特化の試験
FASS検定と簿記検定の最も大きな違いは、試験内容です。
FASS検定が経理・財務業務の全般の知識を問われる試験であるのに対して、簿記検定は記帳や簿記の知識に特化した試験となっています。
②FASSは点数に応じたスコア型認定、簿記は級別認定
FASSと簿記の大きな違いの一つに、認定方式の違いがあります。
簿記検定が従来型の級別認定であるのに対して、FASS検定は、TOEICのようなスコア型の認定方式が取り入れられています。
そのため、FASS試験には”不合格”がありません。
FASS検定と簿記検定の特徴
それではFASS検定と、簿記検定の中で最も有名な”日商簿記検定”のその他の詳細を比べてみましょう。
簿記検定(日商) | FASS検定 | |
主催 | 商工会議所 | 日本CFO協会 |
受験資格 | なし | なし |
試験方法 | 筆記、CBT方式 | CBT方式 |
試験日時 | 筆記試験年3回(2月,6月,11月) CBT試験随時 | 随時 |
試験会場 | 筆記試験の場合、商工会議所指定の試験会場。 CBT試験の場合、全国のCBT試験会場。 | 全国のCBT試験会場。 |
評価区分 | 1級、2級、3級、簿記初級、原価計算初級 | レベルA〜レベルE |
FASSと簿記の難易度・評価方法の違い
FASSと簿記の評価区分は、公式HPでは下記のように紹介されています。
●FASSの評価区分
レベルA | 経理・財務分野について、業務全体を正確に理解し、自信をもって経理・財務部門の業務を遂行できるスキルをもっている。 |
レベルB | 経理・財務分野のほとんどの業務を理解し、業務を遂行できるスキルをもっている。分野によって、知識の正確さに個人差があるものの、業務を妨げるようなことはなく、適切に対応できるスキルをもっている。 |
レベルC | 経理・財務分野について、日常の業務を行うための基本的なスキルが身についているが、自己の経験以外の業務への対応力について差が見られる。日常の業務であれば、業務を理解して、支障なく対応できるスキルをもっている。 |
レベルD | 分野によって、知識の正確性に差があり、不十分な部分が多いが、支援を受けながら、最低限の業務を行うスキルをもっている。 |
レベルE | 経理・財務分野について、部分的にしか理解できていない。今後の努力を期待する。 |
*FASS公式HPより引用
●簿記検定の評価区分
1級 | 極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。 合格すると税理士試験の受験資格が得られる。公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門。 |
2級 | 経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。 高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。 |
3級 | 業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。 基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。 |
*日商簿記公式HPより引用
2つの試験をレベル別に並べてみると、
簿記1級 > FASS A > FASS B > 簿記2級 > 簿記3級 > FASS C > FASS D > FASS Eといった感じでしょうか。
試験の内容が違うため比較が難しいですが、資格サイトなどでは、簿記3級とFASSレベルCが同程度の難易度であると表現されていることが多いです。
FASSと簿記の取得メリットの違い
FASSと簿記では、取得するメリットにも違いがあります。
FASS取得のメリット
①高スコアで年収UP・キャリアUPの可能性あり
FASS検定は多くの大手企業で取り入れられているため、従業員の評価にFASSを取り入れている企業であれば、昇進・昇格の可能性が高まります。
また、経理・財務部門においてFASSのスコアと年収が比例しているというデータもあるため、高スコアを取得して専門性を高めることで、キャリアの幅が広がると言われています。
②日本CFO協会のサービスを受けられる
FASSで一定レベル以上の点数を取ると、日本CFO協会のサービスを受けることができるようになります。
転職サービスの利用やセミナーへの参加など、FASS受験者ならではのサービスを受けられるのは嬉しいですね!
簿記取得のメリット
①高い知名度
簿記試験を取得する一番のメリットは、その知名度が高いことにあります。
経理・財務職における転職活動において、FASSを知らない面接担当者はいても、簿記検定を知らない方はまずいないでしょう。
知名度が高く様々な場面で利用できるため、経理・財務職で将来活躍したいと考えている方であれば、是非とも取得しておきたい資格の1つですね。
②大学の単位認定、税理士試験の挑戦権
簿記試験は、多くの大学で会計学の単位認定を受けることができます。
また日商簿記1級、全経簿記上級の取得者は、税理士試験の受験資格を得ることができます。
単位認定を受けられることや、税理士資格の挑戦権を得られることは、簿記試験合格の大きなメリットだと言えるでしょう。
どちらを受験するべきか。資格マニアが思うこと
FASSと簿記にはそれぞれ特徴があって、どちらを受験した方が良いかは状況によって異なります。
就職・転職に活かしたいと考えているのであれば簿記検定、経理・財務業務を包括的に学びたいのであればFASS検定がお勧めです。
また多くの比較ブログなどでは、社外向けに取るなら簿記、社内向けに取るならFASSと表現しているものも多いようです。
資格マニア1年生の私の意見としては、もしも時間に余裕があるのであれば”両方受験する“というのがベストですね 笑